院外活動スタッフコラム

「子供の膝が痛い!」それって成長痛?スポーツを頑張る子に多い「オスグッド病」の原因とリハビリ

2026.4.3

こんなことで悩んでいませんか?

「最近、子どもが膝の痛みを訴えるようになった」 「部活の後になると、膝の下あたりが腫れているように見える」 「様子を見ていれば自然に治るのか、それとも病院に連れて行くべきか……」

スポーツに打ち込むお子さんをお持ちの保護者の方から、こうした相談をよく耳にします。

子どもの成長を嬉しく見守りながら、一方で体への影響が気になってしまう、そんな複雑な気持ちは、とても自然なことです。

この記事では、成長期のスポーツをしている子どもに多く見られる「オスグッド病(オスグッド・シュラッター病)」について、わかりやすくご説明するとともに、リハビリテーションでできることについてご紹介します。

 

オスグッド病とは何か?

成長期のスポーツをする子どもに多い膝の痛み

オスグッド病は、正式名称を「オスグッド・シュラッター病」と呼ぶ整形外科的な疾患です。

主に10〜15歳前後の成長期にあり、活発にスポーツを楽しむ子どもに多く見られるのが特徴でしょう。

主な症状として、膝の皿(膝蓋骨)の少し下にある骨が「こぶ」のように突出、そこへ局所的な痛みが生じます。

特にサッカーや野球、バスケットボール、陸上といった、激しい走行やジャンプを伴う競技での発症が目立ちます。

骨が成長するスピードに対し、筋肉の柔軟性が追いつかないことで生じるこの疾患は、成長期特有の痛みと言えるかもしれません。

 

なぜ痛みが出るのか?

骨の成長と筋肉の引っ張り合いが原因

成長期のお子さんの骨は、大人と違ってまだ完全に固まっていません。

骨の端には「成長軟骨」という柔らかい部分があり、ここが少しずつ成長して背が伸びていく仕組みです。

構造上、太もも前面の大きな筋肉は、膝のお皿を通って、すねの骨の上部(出っ張った部分)へ接続。

そのため、スポーツでジャンプやダッシュを繰り返すと、筋肉がすねの骨を強い力で引っ張り続けることになります。

骨がまだ柔らかい時期にこの負担が重なると、軟骨に小さな傷や炎症が起き、痛みや腫れ、骨の出っ張りを引き起こすと言えます。

これはスポーツに一生懸命打ち込んでいる証拠である反面、お子さんの身体が発する「適切なケアが必要」という大切なサインとして受け止めてあげましょう。

 

放置してもよいのか?——注意点について

「成長痛だから仕方ない」で済ませてしまうのはリスクがあります

「成長期には痛みがあって当然」「そのうち治るだろう」と思い、そのままスポーツを続けさせてしまうケースが少なくありません。

しかし、以下のような点に注意が必要です。

①痛みが慢性化する可能性がある 

適切な対応をしないまま負荷をかけ続けると、炎症が長引き、症状が慢性化することがあります。

②骨の変形が残ることがある 

繰り返しの損傷により、脛骨粗面の骨の出っ張りが残ることがあります。

多くの場合は機能的な問題は少ないとされていますが、見た目上の変形として残ることがあります。

③スポーツパフォーマンスへの影響 

痛みをかばうことで姿勢や動きのくせがつき、膝以外の部位にも影響が出ることがあります。

「痛みがあってもスポーツを続けさせるべきか」というご判断は難しいと思います。

痛みの程度や状況によっても対応は異なりますので、早めに専門家に相談されることをお勧めします。

 

リハビリでできること

「安静にして休むだけ」が正解ではないことがあります

オスグッド病への対応として、以前は「とにかく安静に」という考え方が主流でした。

しかし現在の整形外科・スポーツ医学の考え方では、適切な運動療法やストレッチを組み合わせたリハビリテーションが重要とされています。

① 太もも・ふくらはぎのストレッチ

膝への負担の大きな原因のひとつが、大腿四頭筋(太もも前面)やハムストリングス(太もも裏面)、ふくらはぎの筋肉の柔軟性低下です。

これらの筋肉が硬くなると、膝への引っ張りが強まり、痛みが悪化しやすくなります。

適切なストレッチを継続することで、筋肉の柔軟性を高め、膝への負担を和らげることが期待できます。

② 筋力トレーニング(運動療法)

「痛みがあるのに運動していいの?」と思われるかもしれません。

ただ、単純に休むだけでは筋力が低下し、復帰後にまた同じ状態に戻りやすくなります。

痛みの範囲内で、膝周辺の筋肉をバランスよく鍛える運動は、関節への負担を分散させる効果が期待されています。

どの段階でどんな運動をするかは、お子さんの状態に合わせて判断することが大切です。

③ スポーツへの復帰方法と負担のコントロール

「どれくらい練習に参加してよいか」「何をやってはいけないか」を具体的に整理することも、リハビリの重要な一部です。

すべての練習を休む必要はない場合もあり、痛みの状況に応じてスポーツへの参加レベルを段階的に調整することが一般的です。

 

当院でのサポートについて

お子さんとご家族に寄り添ったケアを心がけています

当院では、オスグッド病でご来院された場合、医師による診察・評価のうえで、以下のようなサポートを行っています。

①ご自宅でのケア指導 

クリニックに来ていただく時間には限りがあります。

そのため、保護者の方やお子さん自身が自宅でできるストレッチや、アイシングの方法、テーピングの基本などを、丁寧にご説明しています。

②運動・スポーツ参加についてのアドバイス 

「今の状態で練習に参加していいか」というご相談は、多くのご家族から寄せられます。

お子さんの状態を確認しながら、スポーツへの参加方法や練習量の調整についてのアドバイスを行っています。

 

こんな場合はご相談ください

受診の目安

以下のような状況であれば、一度専門家にご相談いただくことを検討してみてください。

・膝の下(脛骨粗面)を押すと痛みがある

・運動後に膝の痛みや腫れが出やすい

・痛みが2週間以上続いている、または繰り返している

・スポーツ中だけでなく、日常生活(階段の上り下りなど)でも痛みがある

・痛みをかばうような歩き方になっている

・子ども本人が「痛い」と訴えているのに、無理をして練習を続けている

「これくらいで受診してもいいのだろうか」とためらわれる方も多いですが、早めに状態を確認することで、適切なケアの方針が立てやすくなります。

 

まとめ

成長期の膝の痛みは、お子さんが一生懸命にスポーツに取り組んでいるからこそ起きやすいものです。

「頑張りすぎているサイン」として、体が出しているメッセージともいえます。

オスグッド病は、適切なケアとリハビリテーションによって、多くの場合スポーツへの復帰を目指しながら対応していくことが可能とされています。

ただし、状態には個人差があり、お子さんごとに適切な対応は異なります。

「痛みが続いているが、どうすればいいかわからない」「スポーツを休ませるべきか判断できない」と感じていらっしゃる場合は、ぜひ一度ご相談ください。

お子さんの状態をしっかり確認した上で、ご家族と一緒に対応方法を考えていきます。

一覧はこちら

整形外科
整形外科

運動器疾患や外傷、各スポーツ障害による身体の痛みや機能障害を対象に、こどもから高齢者まであらゆる年齢層の骨関節・筋肉・神経の障害を治療します。

詳細はこちら

設備紹介
設備紹介

リニューアルオープン後、内装も綺麗になり、新たな設備を多く導入しました。

詳細はこちら

リハビリテーション科
リハビリテーション科

加齢に伴う変形性関節症などの運動器疾患やスポーツ障害などによる疼痛や機能障害に対して、運動療法と物理療法を併用し、症状の改善および再発の予防に取り組みます。

詳細はこちら