院外活動スタッフコラム

少年野球コラム①投球障害予防について

2025.3.22

こんにちは,創成川通整形外科 理学療法士の清水です。

今日は少年野球における投球障害予防について,ご紹介したいと思います!

北海道の冬は長く,外でボールを使った練習が出来ないため冬の期間は基礎トレーニングをメインで行っているチームが多いかと思います。

雪解けが進み,春先にグラウンドでボールを使った練習が解禁されると一定数の選手が肩や肘の痛みを訴えることも多いのではないでしょうか。

今回は少年野球における肩と肘の投球障害に対して,予防プログラムの効果を検証した研究を解説したいと思います。

 

1.対象

911歳の少年野球選手237名を対象とし,投球障害予防プログラムを行う群(介入群;8チーム,109)と通常のストレッチとトレーニングを行う群(コントロール群;8チーム,110)2つの群に分け12週間追跡し,肩と肘の投球障害の発生率を調査しました。

 

2.投球障害予防プログラム

プログラムは5種類のストレッチ,2種類の可動性向上トレーニング,2種類のバランストレーニングから構成されています。

※プログラムの詳細については以下のURLのホームページに記載されています。

https://www.kb-leaderseminar.com/news/20181026.html

 

3.結果

介入群の投球障害の発生率は,コントロール群よりも有意に低い結果となりました。選手が1000回練習や試合に参加した場合の投球障害を発生する人数は介入群1.7件,コントロール群3.1件でした。週1回以上投球障害予防プログラムを実施すると,発生する件数は1.2件とさらに低い発生率を示しました。

 

4.結論

今回実施した投球障害予防プログラムは,少年野球選手における肩と肘の投球障害の発生率を減少させる効果がありました。

 

この研究から、肩回りや胸回りのストレッチやトレーニングは肩や肘の障害を予防するのに効果があることが示唆されます。

これらのストレッチやトレーニングは道具を使わずにご自宅でも簡単に出来る内容となっており,継続しやすい点が障害予防にもつながっていると思います。

身体のケアはしっかりと行い,春先からの練習を万全な状態で迎え1年通して怪我なく野球が出来るようにしましょう!

 

【参考文献】

Sakata et al. Throwing Injuries In Youth Baseball PlayersCan a Prevention Program Help?. Am J Sports Med. 2019.

一覧はこちら

整形外科
整形外科

運動器疾患や外傷、各スポーツ障害による身体の痛みや機能障害を対象に、こどもから高齢者まであらゆる年齢層の骨関節・筋肉・神経の障害を治療します。

詳細はこちら

設備紹介
設備紹介

リニューアルオープン後、内装も綺麗になり、新たな設備を多く導入しました。

詳細はこちら

リハビリテーション科
リハビリテーション科

加齢に伴う変形性関節症などの運動器疾患やスポーツ障害などによる疼痛や機能障害に対して、運動療法と物理療法を併用し、症状の改善および再発の予防に取り組みます。

詳細はこちら