院外活動スタッフコラム

走るたびに膝・股関節・足が痛い… 運動療法・オーダーメイドインソールによるランニングのサポート

2026.5.9

マラソンやランニングを楽しんでいる皆さん、こんな経験はありませんか?

・5km過ぎると膝の外側がズキズキしてくる

・長距離を走ると股関節の前側が詰まる感じがする

・足首やふくらはぎが張ってきて、後半ペースが落ちてしまう

・レース後は翌日・翌々日まで痛みが残る

 

「走り続けたいのに、痛みが邪魔をする」——そんなジレンマを抱えているランナーは少なくありません。

実はこれらの痛みの多くは「走りすぎ」だけが原因ではなく、足元から始まる身体の連鎖の崩れが根本となっている場合があります。そして、運動療法やオーダーメイドインソールの使用により、その崩れを改善することで、痛みの軽減やランニング動作の改善につながる可能性があります。

 

このコラムでは、ランニング中に下肢が痛くなるメカニズムをわかりやすく解説し、インソールが果たす役割、そして当院が提供できるアプローチについてお伝えします。

 

第1章 なぜ走ると痛くなるのか? 下肢の痛みのメカニズム

足への衝撃はどのくらい?

ランニング中、着地の瞬間に足にかかる衝撃は体重の約3〜5倍といわれています。たとえば体重60kgの方が1歩着地するたびに、180〜300kgの力が足底から膝・股関節へと伝わっていきます。

フルマラソン(42.195km)では平均で約3万〜4万歩を踏み出します。一歩ごとの小さなズレや偏りが数万回積み重なれば、やがて炎症や痛みとして現れてくるのは自然なことです。

 

足部アーチと「運動連鎖」の崩れが全身に影響する

足裏には3つのアーチ(内側縦アーチ・外側縦アーチ・横アーチ)があり、着地衝撃の吸収と体重移動を担う重要な構造です。このアーチが崩れると、足だけでなく膝・股関節・腰まで連鎖的に影響が広がります。

 

【運動連鎖とは?】例えば立っている状態で足部が動くと、足首→膝→股関節→骨盤と運動が広がります。このようにある関節が動くと、その運動が他の関節に波及することを「運動連鎖」と呼びます。一般的に、足の内側アーチが低下し足が内側に過剰に傾く(オーバープロネーション)と、それに連動して下腿が内旋し、膝が内側に引き込まれ(ニーイン)、股関節にも余計な回旋ストレスがかかります。これが上半身まで波及することも珍しくありません。

 

代表的なランニング障害と足部の関係(一例)

ランナーに多い痛みと足部アライメントの関係

膝の外側の痛み(腸脛靭帯炎/ランナー膝) O脚・回内足による下肢ねじれが腸脛靭帯の摩擦を増加させる
膝の内側の痛み(鵞足炎)

X脚・回内足で膝内側への伸張ストレスが慢性化する

かかと・足底の痛み(足底腱膜炎) アーチ低下またはハイアーチによる足底腱膜への過剰ストレス
足首周囲の痛み(アキレス腱炎など) 着地時の回内過多が足首内側に繰り返しストレスをかける

これらの障害に共通するのは、「痛みの根本原因の一つが足部にある」ということです。痛みのある部位だけをケアしても、根本にある足部の問題が改善されなければ、症状は繰り返されてしまいます。

 

第2章 インソール(中敷き)とは何か? その役割と効果

インソールの基本的な役割

インソールとは靴の中に入れる中敷きのことで、インソールが果たす主な機能は以下の通りです。

 

・衝撃吸収:着地時の力を分散させ、膝・股関節への過剰な負担を軽減

・アーチサポート:足部アーチを支え、足部へのストレスを正常化

・踵の安定:ヒールカップが踵のグラつきを抑え、踵の動きを制御

・他の関節の異常運動を改善:足元を整えることで、膝・股関節などといった他の関節に生じる異常運動を改善

 

個々の動きの特性に特化させるには、オーダーメイドインソールを使用するという手段があります。

 

当院で作製するオーダーメイドインソールの特徴

当院のオーダーメイドインソールの特徴は、歩行やランニングなどの動きに合わせて作製をすることです。足型を採型するだけでなく、歩行・ランニングなどの身体の動きを評価し、適切な動きとなっているかを確認しながら作製を行います。そのため、その方の動き方や痛みの部位など個々の特性に応じた対応が可能となります。

 

 

第3章 「痛みなく走りたい」を実現するために当院ができること

当院の理学療法士について

ランニング障害に対する専門的知識を有した理学療法士が在籍しており、運動療法や必要な場合にはインソール作製も行い、痛みの改善を目指します。

 

当院で行うアプローチの流れ

STEP 1 医師の診察

医師の診察を行ったうえで、担当理学療法士の予約を取ります。

 

STEP 2 問診・現状把握

いつから・どこが・どんな痛みか、走行距離・シューズの状態・既往歴などをヒアリングします。「5km以上走ると膝の外側が痛む」「坂道や下り坂で悪化する」など、具体的な状況をもとに障害の仮説を立てます。

 

STEP 3 静的・動的アライメント評価

立位・歩行・ランニング時の足部・膝・股関節の動きを観察し、オーバープロネーション・O脚・X脚・ニーインなどのアライメント異常を評価します。足部アーチの高さ、踵の角度なども計測します。

 

STEP 4 歩行・ランニングフォーム

ランニング中の接地パターン(ヒールストライク・ミッドフット等)、骨盤の傾き、上体の揺れなど、フォームの特徴と問題点を専門的に評価します。

 

STEP 5 運動療法・フォーム指導

下肢関節・体幹の筋力強化やストレッチなどの運動療法、ランニングフォームの修正指導も行います。身体機能を整えることで、痛みのない走りを目指します。

 

STEP 6 オーダーメイドインソールの作製

必要な場合には、歩行パターン・障害部位などに対し、最適化を目指したインソールを作製します。作製後は実際に装着して歩行・走行感などを確認し、微調整を行います。

 

こんな方に特に来院をお勧めします

・ランニング中または後に膝・股関節・足関節に痛みが出る

・過去にランニング障害(腸脛靭帯炎・足底腱膜炎など)を繰り返している

・シューズを変えても痛みが解消しない

・フルマラソン・ハーフマラソンなど大会に向けて痛みを改善したい

痛みを「我慢して走る」ことは、障害を慢性化・悪化させるリスクがあります。早期に専門家が評価を行い、根本原因にアプローチすることが、長くランニングを楽しむために有効な選択肢の一つです。

 

第4章 よくあるご質問(Q&A)

Q. インソールはどんなシューズにも入れられますか?

  1. 基本的には現在お使いのランニングシューズに合わせて作製します。シューズの幅・形状によっては調整が必要な場合があります。受診の際はお使いのシューズをお持ちいただくと、より正確な評価・作製が可能です。

 

Q. 受診前に走るのをやめた方がいいですか?

  1. 強い急性の痛みがある場合は安静が必要ですが、慢性的な痛みや違和感のある方は走りながら受診していただけます。走行中の状態を評価することで、より精度の高いフォーム分析が行えます。

 

Q. 子どもやシニアのランナーでも対応してもらえますか?

  1. はい。走ることを楽しまれているすべての方を対象としています。年齢や走力に合わせた評価・インソール設計を行います。

 

Q. インソール作製は保険適応でしょうか?料金は?

  1. 当院でのオーダーメイドインソール作製は自費診療(保険適応外)となります。

  インソール作製時には以下の費用が発生します。

  料金:両側作成で8,260円(税込み)

  ※医師の診察等の保険診療については、別途保険診療費が発生します。

  ※インソール作製後、一時的に違和感や筋のハリを感じる場合があります。

 

まとめ 走る喜びを取り戻すために

ランニング中の膝・股関節・足関節の痛みは、「走りすぎ」が原因の場合もありますが、足部アライメントの崩れが、他の関節の問題を引き起こしている場合もあります。

オーダーメイドインソールは、この連鎖の起点である「足元」を整えることで、ランニング時の身体への過剰なストレスを軽減することを目的としています。

インソールの効果を最大限に発揮するには、専門家によるアライメント評価・歩行フォーム・ランニングフォームの評価を求められることもあります。

当院では、ランニング障害に対して専門的知識を有する理学療法士が、一人ひとりのランナーに寄り添った評価と対応を行っています。

 

「また痛みなく走れる日に向けて、まずは一歩踏み出してみませんか。」お気軽にご相談をお待ちしております。

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